学級でのトラブルを減らすために

教師の仕事

人生経験や失敗体験が少なく、家庭環境も異なる子どもたちが集まる学校では、トラブルがたくさん起きます。むしろ起こらない方が不思議です。

中でも言葉の遣い方でのトラブルが多く、言った、言わないの小競り合いはどこの学校でも見られる光景です。

子どもたちが、このようなトラブルから、身をもって言葉の遣い方の大切さを学習し、近い将来に役立つ人間関係づくりのスキルを身に付けることは、とても大切なことです。

今回は、言い方の違いで人間関係が良い方にも、悪い方にも変わることについて、以下の3つの例をあげてみます。

1 本人にとって、ありがたくないことは対話の中で

2 良いことは人伝に聞くとうれしいものです

3 時には沈黙を守ることも大切です

1 本人にとって、ありがたくないことは対話の中で

人間関係づくりの中で大切なことですが、その人にとって、ありがたくない(嫌がるかもしれない)ことは対話の中で確認させてあげましょう。

子どもの悪いところを教師が一方的に指摘するのではありません。反省すべき点を本人が自分の口で言えるように、思いを引き出してあげることが大切なのです。

「○○さんは、あなたにそう言われて、どんな気持ちになったと思いますか?」

教師がよく、子どもに問いかける言葉です。他人から発せられる
100の言葉よりも、自分の口から発せられる一つの言葉が子どもを変えると、私は考えます。

大人の人間関係でも、全く同じことが言えると思います。

ありがたくない(嫌がるかもしれない)ことを相手に伝える時に、「すみませんが」という言葉のクッションを入れると、人間関係をより円満にできると私は信じています。

若い先生方や、お子さんをお持ちになった親御さんも今から使えるスキルなので活用してみてください。

2 良いことは人伝に聞くとうれしいものです

反対に良いこと(褒められるべきこと)は人伝(ひとづて)に聞くと、うれしいものです。

子どもにとっても、「○○さんが、あなたのことを褒めていたよ。」と聞くと、ますますうれしくなって張り切るはずです。

もし、これが逆になってしまうと大変です。

「○○さんが、あなたの悪口を言っていたよ。」となってしまう訳です。

小中学校で友人関係が壊れる大きな原因の一つが、この間違った親切心のプレゼントなのです。

「自分の友だちが悪口を言われていたら、そのことを友だちに教えますか?」

というアンケートをとると、かなりの人数の子が「教える」と答えます。

私は子どもに、「人の悪口は伝えてはいけません。」と教えてきましたが、怪訝な表情を浮かべる子も少なくありませんでした。

この場面で子どもを指導する際、一番大切なことは何か?

それは、悪口を教えられた子の気持ちに寄り添えるかどうかということです。

悪口を言われた子が「ありがとう」と言って感謝してくれるのか、それとも傷ついてしまうのか、どちらでしょうか? と考えさせることから指導していきましょう。

3 時には沈黙を守ることも大切です

なかなか小さな子どもに教えることは難しかったのですが、「見て見ぬふり」、「聞いて聞かぬふり」も思いやりなのです。

ここで一例をあげます。

『あなたは友だちの○○さんが遊んでいる時、犬のう○こを踏んづけてしまうのを偶然、見てしまいました。あなたはどうしますか?』

A:クラスの友だちにこのことを話す。

B:○○さんに「大丈夫?」と言ってあげる。

C:何も言わない。

この問いかけをすると、クラスの大半の子が面白半分にAを選びます。

(日頃の私自身の態度が不謹慎なためと反省します・・・)

でも、 もし、自分が○○さん本人であったら・・・

そう、子どもに考えさせると、状況が変わってきます。

日頃より、子どもに当事者意識をもたせる指導の大切さを痛感しています。

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